矯正歯科Q&A
- Q:矯正治療をはじめる時期はいつがいいですか?
- A:日本矯正歯科学会は、「7才になったら歯並びのcheckを」とよびかけていますが、小学校就学前に矯正治療を開始するケースもあります。
小学生から始める場合、成長を利用して永久歯を抜かずに矯正できる可能性が高まります。
それ以降の年齢でもなるべく多くの歯を生かせるように考えながら矯正します。
特に年齢の上限はありませんが、成人の場合、歯周病などの問題を注意しながら矯正します。
結果的には、小学校2〜3年生くらいからのstartになることが多いです。もちろん成人してからも矯正治療をすることは可能です。
- Q:矯正治療にはどれくらいの期間かかりますか?
- A:永久歯列の八重歯の矯正治療で1年半〜2年半程度です。
成長を利用して治療する小学生では、虫歯になりにくく目立ちにくい、単純な装置で、1〜2年ほどかけてあごの骨の形を含めて歯並びを矯正します。
この場合中学生になってから仕上げをすることもあります。
すべて永久歯に生え変わっている場合には、数本の歯を部分的に矯正するのに数ヶ月、全体的に矯正するのに1〜2年ほどかけます。
成長が止まるまでの期間の管理が必要な場合もあります。
通院は、通常月1回で、その後の後戻り防止の保定もほぼ同期間に行います。
成長期の子どもさんの矯正では、小学校低学年から高校生くらいまでかかることもあります。
歯並びが直ったあとは、年に1、2回定期検診をして、メンテナンスをします。
- Q:歯を抜くこともありますか?
- A:もちろんあります。
とくに出っ歯の矯正治療の場合、前歯を大きく後退させる必要がありますから、歯を抜かないと後退スペースを確保できず、きれいに仕上げるのが難しくなることがあります。
- Q:矯正治療は痛くありませんか?
- A:まったく何ともないと言えばうそになりますが、通常は1週間〜10日で慣れます。
また、矯正治療が進むにつれ歯の動く量が小さくなりますから、楽になっていきます。
- Q:矯正治療が終わった後、元に戻ったりしませんか?
- A:完全に戻ってしまうことはまずありませんが、多少の後戻りは生じます。
後戻りが大きい場合は、再矯正をすることがありますが、同じ後戻りを繰り返さないよう永久固定よる保定をすることが多いです。
保定装置には取り外しのできるものと歯に取り付けてしまうものがありますが、目立たなく、装着が楽で、清掃がしやすいものを使用します。
矯正治療終了時の良好な状態を保つためには長期の使用が望ましいのですが、落ち着いてきたら夜寝ているときだけつけるなど日常生活にまったく問題ないように工夫できます。そして、定期検診をしばらく続ける中で、いつまで保定装置をつけるかを話し合いで決めていきます。
矯正治療で大切なことは、良好な治療結果をいかに長く保つかということです。
そのためには、定期的に歯石や歯の着色をとったり、虫歯や歯周病になっていないかをチェックする必要もあります。
また、両方の奥歯でものをよくかむ習慣も、歯列咬み合わせの長期安定に役立ちます。
数ヶ月に1回のペースで、このような咀嚼指導を受けて頂くことも重要であると思います。
- Q:矯正治療費は?
- A:症例にもよりますが、成人の場合、毎回の診療および保定を含めた全ての矯正治療費は、63〜86万円程度、お子様の場合、27〜85万円程度とお考え下さい。
※当院の矯正患者さんにおかれては、予防プログラム診断、フッ素塗布などの費用を頂いておりません。
- Q:悪い歯並び(不正咬合)をそのままにしておくとどのような影響がありますか?
- A:食べ物がよく噛めない・ことばが明瞭でなくなる・むし歯になりやすい・歯槽膿漏になりやすい・口臭の原因になる・アゴの関節に負担をかける・歯を折った・ケガしやすい等の問題が出てきます。
また、歯並びを治す事で、自分の容姿に自信が持て、今までのコンプレックスを解消できると言っても過言ではありません。
インプラントQ&A
- Q:32歳で16本ほどをさし歯に頼っています。インプラントについて教えてください。これは入れたら、どんなことがあっても一生使え るのですか?
- A:以前に比べ、インプラントは術式、素材等の面で進歩を見せておりますが、メンテナンス、プラークコントロールを確実にしないと長期間の維持はできません。
また、患者さんの状態により、厳しく適応、不適応の判断をしなければなりません。
また、インプラントは魔法ではないため、一生持つことはおそらくないでしょう。
しっかりとした管理をしても15年を目安にしておかれたほうが良いと思います。通常28本ある歯のうち既に16本が差し歯という状態から、プラークコントロール、歯質に何らかの問題が考えられます。
ブリッジにしろインプラントを選択するにしろ、問題の根源を良い方向にもっていかないと、状態は更に悪くなりかねません。
- Q:インプラント2本で15万円かかりましたが、裏が金属で、出っ歯のようになってしまいました。
色もまわりの歯より黄色っぽいので、本当にセラミックなのかと思ってしまいます。
芸能人の方は差し歯でも、裏は金属になっていないように思うんですけど、セラミックの歯は、みんな裏は金属なのでしょうか? - A:色に関しては、選択が可能なので、気に入らなければもう一度作り直す事は出来ます。
通常は咬合の事を考えて、裏は金属にするケースが多いようです。
審美的な部分は人によって基準が異なるため、事前の十分なコミュニケーションが必要であるという、好事例です。
- Q:矯正の先生が、インプラントの方がブリッヂや入れ歯よりもいいと進めてくれていますが、お金と時間がかかるとおっしゃられました。
大体、どの位のお金と時間がかかるのでしょうか? - A:期間や費用を心配されるのは、もっともな事だと思いますが、それよりインプラントが適用できるかどうかの判断のほうが先と思われます。
骨の厚さ、神経の走行、解剖学的空洞の位置、歯周の状態など、いろいろクリアーしなければならない関門が多くあります。
まず、専門医に診断を受けるのが第一歩で、そこで、期間や費用の説明は十分あるはずです。
- Q:歯が2本抜けているので歯をいれるつもりです。
4種類の方法について説明を聞きましたが、インブラントか、自分の親知らずの歯の移植かどちらがよいか判断できません。 - A:インプラントと智歯の移植では智歯の方が良いと思われます。
自分の組織なので感染が生じなければまず生着します。うまく抜歯できないと移植は不可能になります。
慎重に計画を立て、行えば良い方法でしょう。
- Q:入れ歯を紛失し、インプラントをしたいと思ったところ、その部分の骨が1-3ミリ程度しかなく、人工骨を埋め込まないとインプラントは不可能であることが分かりました。
人工骨を埋め込んだ場合、どの位もつのでしょうか? - A:インプラントにはかなり練った計画が必要です。上顎臼歯部のインプラントで骨がないときは骨,人工骨の移植,上顎洞底の挙上,それらの複合した手術が必要になります。
当科ではそのような場合,人工骨より自家(自分の骨)骨移植をおこないます。
その方がより正常に近い骨が生じます。それを期待して6カ月経過後インプラントの手術をすることもあります。
治療の流れは、1・予備の検査
2・治療の流れの説明、金額の概算、インプラントの成功率(100%ではない、必ず一生もつものではないこと、失敗したときの保証について、インプラント以外の治療についてなどの説明をします。
同意があったら、
3・一次検査、及び義歯の作製(今後傷の保護床として用いる)
4・必要があったらインプラント前の手術
5・二次検査
6・インプラント一次手術(当科では二回法のみである)
7・4-6カ月待機
8・インプラント二次手術
9・歯の作製となります。歯の完成までは1-2年かかりますがしっかりとした計画、対応、信頼関係が必要です。
ただし、誰にでも(患者)できるものでなく、個人に入れたインプラントの予後は正確にはわかりません。
どんな治療でも(生死はべつとして)信頼関係がなければやらない方が良いです。
虫歯Q&A
- Q:虫歯というのは、必ず進行するものなんでしょうか?歯と歯の間なので、2本ともだめになってしまうような感じがして心配です。
- A:食事も含めたプラークコントロールが上手くいっていれば、再石灰化といって虫歯の進行が止まる場合もありますが、歯科医による継続的な観察が必要でしょう。
歯と歯の間の虫歯は、そこの環境が同じなので、ほとんど2本同時に起こり、同程度の進行があるのは当然のことと言えます。
- Q:歯と歯の間の着色と、虫歯はどのように見分けるのでしょうか?
- A:虫歯か虫歯でないかという判断は、歯科で使う「探針」という道具で歯の表面を探ってみて、この針が引っ掛かるようだったら虫歯と判断します。
見ただけではわかりません。
- Q:奥歯に虫歯があると診断されました。5年以上前から気づいてはいたのですが、本当に小さな黒い点で、表面上は進行していないように見えます。
治療した方が良いのでしょうか。 - A:入り口は小さくても中で大きく深くなっているケースは、たびたび見られます。
即大丈夫と判断されては困りますが、ある程度エナメル質内に限局する虫歯ならば、プラークコントロールいかんで進行はせずに、そのままか、あるいは再石灰化して治療をせずにすむこともあります。
その場合も、数ヶ月単位で要観察です。主治医の先生と良く相談されてみたらいかがでしょうか。
- Q:虫歯のレーザー治療は、痛みがほとんど伴わず、削るのが最小限で済むと聞きますが、良い治療なのでしょうか。
- A:今のところ、歯科で使われているレーザーは、外科的な軟組織(歯肉や舌)の切開や根管内容物の蒸散などに有用性が認められています。
虫歯など硬組織の破壊にまでは研究の段階で、一般的ではありません。
また神経のある歯を治療するのでしたら、それなりの疼痛は伴いますので、やはり麻酔は必要でしょう。
- Q:虫歯による歯髄炎に抗生物質の服用は有効ですか?
- A:私の知る限り「歯髄炎」が適応症の抗生剤は有りません。
従って歯髄炎に対して抗生剤の投与は無効と考えられます。
- Q:虫歯菌と歯周病菌は仲が悪く拮抗し合うといわれますが、実際のところ歯垢と虫歯の関係はどうなってるんでしょうか?
- A:虫歯を引き起こす原因と考えられている菌と、歯周病の人のポケット内プラークの中に存在する菌とは異なるようです。
回りくどい言い方ですが、これが現在のところ正しい言い方です。
なぜなら、歯周病の原因菌と推定されるものが、歯周病を引き起こす証明は未だなされていないからです。
更に細菌同志の拮抗云々は軽はずみには言えません。
ただし、現象としては、虫歯の多い人には歯周病のリスクが少なくて、歯周病のリスクが高い人は虫歯の多発する傾向は少ない、と言った見解もあることはあります。
プラークの溜まりやすいところは、衛生的なコントロールが難しいという意味においてでしたら、虫歯の起こりやすい部位と考えていいでしょう。
- Q:前歯の裏に小さい虫歯があったので治療しました。完全に治療は終わったのですが、熱いものや冷たいものを口にいれた際に、知覚過敏のような、少し違和感が感じられます。
先生にはしばらく様子を見るように言われました。 - A:虫歯で犯された歯質を取って詰め物をすると外来刺激が伝わりやすくなることがあります。
前歯の裏側は神経までかなり近いので、なるべくしみたりしないようにどの先生も努力なさっているのですが、治療したては多少しかたないと思います。俗に言う神経を歯髄と言うのですが、この歯髄はしみる所があると内側から壁を厚くする働きもあるのでしばらくすると違和感もなくなるでしょう。
主治医の先生の言われるようにもう少し様子を見てください。
- Q:虫歯になっていても痛みがなければ必ずしもすぐに治療する必要はないのではないか、と思っています。
- A:病気である事と痛みがある事は、区別して考える必要があります。
疾患の性質、それを持っている人の痛みに対する閾値、免疫力等、様々な要因によって、自覚症状は変わってきます。
虫歯の程度次第ですが、治療せずとも要観察でいける場合もあります。
- Q:進行した虫歯から脳に菌(?)が入って首から下が麻痺してしまったという人、亡くなってしまったという人という2人の話を聞いたのですが、本当にあるのですか?
- A:歯が原因(根の先または,歯肉より)で感染すると歯性感染症になります。上顎洞,頬,咽頭,顎下などに広がります。
今は抗生剤があり、死亡例は少なくなりましたが、昔は歯が原因で死亡したそうです。

